1962-08-29 第41回国会 衆議院 社会労働委員会 第6号
これは、浅沼テロ事件について、内閣総理大臣は初め責任はないようなことを言っておったが、最後に責任がある。なぜなら、一切の行政権の最高責任は内閣総理大臣にある。もちろん浅沼を殺したテロ犯人山口が自殺するなんてことについて、直ちに内閣総理大臣が重大な責任を負わねばならぬ立場だとは思いません。
これは、浅沼テロ事件について、内閣総理大臣は初め責任はないようなことを言っておったが、最後に責任がある。なぜなら、一切の行政権の最高責任は内閣総理大臣にある。もちろん浅沼を殺したテロ犯人山口が自殺するなんてことについて、直ちに内閣総理大臣が重大な責任を負わねばならぬ立場だとは思いません。
しかし現在浅沼テロ事件によって天下を聳動し、世界的にこれが宣伝をされました大事件、そして諸般の空気がまた終戦前の血盟団事件を思わせるような雰囲気が出てきた際に、民主社会を防衛するためには、その原因を突きとめて、これを根絶する確固たる決意を持たなければならぬ、そういう意味において私どもは政治テロ防止法案を出した。ただ浅沼事件がぼっと出るとにわかに起こってきたのなら、それほど心配いたしません。
それをなぜ申すかというと、今度の浅沼テロ事件に対して、右翼の懇談会の中で同じ表現が出てきている。「山口君は昨日、その場で逮捕されていっておりますが、私の経験からしましても、彼は日ならずして出てこれると思うんでありますが、山口君を一日も早くあそこから出すように、皆さん方にせっかくお願いしたいと思う次第であります。」こういうことを言うている。すぐ出てくると思っている、これを一体どう処置しますか。
この中島辰次郎という人物は私どもが問題にいたしておりまして、当法務委員会に調査をお願いをいたしましたけれども通じませんでしたが、いわゆる浅沼テロ事件の原因をなしました中共のにせ文書、それにも関係していることが週刊読売に出ている。こういうことを徹底的に洗っていただきますとわかるのです。そこで公安調査庁にお聞きしますが、中島辰次郎という人を調べたことがありますか。
先般浅沼テロ事件が起こりました直後の地方行政法務連合審査会におきまして、私は公安調査庁に対しまして、右翼と左翼の取り締まりはどういうふうな機構になっているかをお尋ねいたしました。そのときに關次長から、千三百人ばかり調査官があるが、そのうちの一割が右翼係だという御答弁がありました。この千三百人というのは、公安調査庁全国、全部の人数でございますか、本庁だけの人数なんですか。
その前に、解散前も、浅沼テロ事件に関連してやはり質問いたしております。それは、私どもの見解は、今回の右翼団体のテロ事件は、すなわち日本の治安に関係します非常に大きな問題として、どうも国際的な謀略機関が謀略的行動をしてわが国の治安を乱しているのではなかろうかと思われる節があるわけであります。
そこでいろいろお聞きしたいこと多々ありますが、時間がありませんので、私は主として総理並びに公安調査庁長官にお尋ねしたいと思うのでありますが、浅沼テロ事件でも、今回の嶋中事件でも、これはテロも悪いがデモも悪いなんということで解決すべき問題じゃない。必ず政府の答弁は、テロはけしからぬけれども、デモの行き過ぎも考慮してもらいたい。
何となれば、浅沼テロ事件が起こりましたときに、経団連の会長は、山口二矢の考えもわからぬではないなんということを言っておられる。どうもはなはだ危険千万な存在が財閥にあるのじゃないか。いつかおのれの頭にかかってくることを知らずして、こういうテロを育成強化するようなことをやっておりますと、大へんなことになりまするから、こういうことにつきましても徹底的な調査をしていただきたい。